日本百名山 あといくつ登れるかな

 2010年夏 夏休みを利用して槍ヶ岳登山を計画した。上高地から2泊3日の山旅である。


上高地へ

 7月26日(月)朝6時に東京をゆっくり出発し、10時に沢渡着、上高地まではバスで、後は槍沢ロッヂまで4時間程度の楽な歩きである。


上高地~横尾~槍沢

 上高地から横尾までは一度歩いた道、2006年の奥穂高岳以来4年ぶりとなった。
 まだ山歩きを始めて一年目の初心者で、その時はまたすぐにここに戻ってくるごとができると信じていたが、現実はそんなに甘いものではなかった。


槍沢~槍ヶ岳山荘

 7月27日(火)ロッヂを朝5時に出発、8時半に播隆窟の岩屋、ここまで来てもガスがかかっていて槍ヶ岳の姿がなかなか見えない。
 それでも、登っていくと突然霧がはれ、その中から槍の穂先が姿を現した。
 最後のつづれおりの急登を、曲がるたびに撮影休憩を入れながら喘ぎながらも高度を稼ぎ、10時前にやっと槍の肩に到着することができた。
 槍ヶ岳山荘の前では結構な登山者がいたが、ガスが出ているためか皆見物しているだけで、登ろうとする人は少なかった。
 今のうちにと思い、小屋横にザックをデポして直ぐに穂先に取り付いた。


槍ヶ岳山荘~穂先へ

 人が少ないので、やってはいけない事ではあるが、矢印通りの登りルートだけではなく、一部下りルートも使ってごまかしながら、岩場に張り付き、手足を使ってなんとか登っていった。
 最後の二段梯子は、ここまで来たのだからと腹をくくり、下を見ないように目の前の岩壁だけを見て、握りづらい梯子のL形鋼を必死に掴み、自分を励ましながら一段一々登った。それでも、10時半前には登り終えることができた。
 頂上は思っていたより狭く、岩がでこぼこしていて足場も悪く、写真を撮るのにも、人とすれ違うのにも苦労した。ほとんどガスで周りは見えなかったが、時々雲が切れると息を飲む絶景が現れた。


槍ヶ岳山荘~槍沢へ

 槍ヶ岳山荘に泊まり朝の槍を見るつもりだったが、予定より早く終わったので、後ろ髪を引かれながらも、頑張って下ることにした。
 実家の親の具合が悪く、今回は中止した方がよいか悩んでいた程なので、少しでも早く帰った方がよかったからだ。
 なんとか横尾まではと頑張ったが足取りは重く、朝出発した槍沢ロッヂにたどりつくのが精一杯だった。
 二泊目と伝えて夕食のおかずを変えて貰い、ビールを飲んでやっと緊張の糸が解けた。


 7月28日(水)朝食も取らずに5時頃槍沢ロッヂを出た、途中何組ものパーティに出会った。とても良い天気なのできっと素晴らしい槍が見えただろう。午前中には上高地に着いたが、涼しい山にいたせいか河童橋の水辺でも暑く感じ、下界に降りてきたことを実感した。